時間栄養学から見た快眠のための食事のとり方

時間栄養学から見た快眠のための食事のとり方

食事時間と快眠は関係ある?


と気になっている方


この記事では


  • 体内時計を大いに活用する時間栄養学
  • 快眠のための食事のとり方

についてお話していきます。


2017年のノーベル生理学・医学賞で話題の「体内時計」は、睡眠障害や肥満などの健康に大きく関わっています。

この体内時計の調整に、重要な役割を果たしているのが食事です。

内容や量に加え、摂取する時間を研究する「時間栄養学」を取り入れて、更に睡眠の質を上げていきましょう。



体内時計を大いに活用する時間栄養学

体内時計を大いに活用する時間栄養学

今までの栄養学では「何を」「どれだけ」食べれば良いかが重要視されてきました。

しかし近年、私たちの体に備わっている体内時計は、食事や生活リズムに影響されて動くことが分かってきたのです。


■「時間栄養学」とは

体内時計の働きに基づいていつ」「どのように」食べるかの視点を加えた学問のことです。

私たちの体の中で行われている消化、吸収、代謝の働きは、体内時計によって大きく左右されています。

そのため体内時計を無視した食生活は体調を崩す原因となります。


■「時間栄養学」のポイント1!朝食はいいことだらけ

私たちの体内時計は、毎日、朝の光と朝食でリセットされます。

朝食をとらないと、体が目覚めないばかりか脳も栄養不足になるため、仕事の効率が落ちたり、記憶力が低下します。

また、1.75倍も肥満になりやすいという調査結果も報告されています。

つまり、朝食をしっかりとると太りにくく、体内時計が整い朝型になり脳が活性化し仕事の効率や成績がアップします。


■「時間栄養学」のポイント2!食事の量は「朝4:昼3:夜3」

体内時計の働きで、私たちの体は夕食の時間帯に食べたものを体に脂肪として蓄えるようになっています。

そのため、夕食の量が多い人は太りやすく、体内時計が乱れ夜型になりがちです。

皆さんの普段の食事の比率はいかがですか?

難しい場合は、せめて「朝3:昼3:夜4」にしましょう。



快眠のための食事のとり方

快眠のための食事のとり方

体内時計は、食事や睡眠などの1日の行動パターンに合わせて神経や内臓が働くように調整しています。

そのため、不規則な生活で食事が乱れると、体内時計のリズムも乱れ、なんとなく疲れが取れない、よく眠れないなどといった体の不調を起こすことにもつながります。

時間栄養学から見た食事時間の工夫」をご紹介しますので、ぜひ今日から取り入れてみてください。


「時間栄養学から見た食事時間の工夫」

1.起床後2時間以内に朝食、朝食から12時間以内に夕食

→夕食が遅くなる方は、分食(夕方に軽食をとり、夜の食事は控えめに)を心がけましょう。


2.朝食は毎朝食べる

→朝食を抜くと消費カロリ―の節約が起き、昼食後、夕食後の脂肪合成が促進されます。


3.間食は3時頃ならOK 

→脂肪合成に関係する「BMAL1」という体内物質が午後2時~3時頃が最も少ないため、食べても太りにくいのです。しかし、22時~2時頃は最も多くなるため夜食はNG。


4.減塩は特に朝と昼にしっかりと

→体内に取り込んだ塩分は、朝や昼に比べて、夕食後の尿に含まれて体外に排出されやすいため、夕食は少しゆるめてもOK。


5.納豆は夕食がおすすめ 

→納豆に含まれる「ナットウキナーゼ」は血栓を溶かす作用があり、その効果は10~12時間続きます。血栓が出来やすい時間帯は睡眠後6~8時間後なので、夕食で食べれば体内で有効に働きます。


6.水曜日は太りにくい

1週間の中で最もエネルギー代謝が高いのが水曜日で、最も低いのが月曜日といわれています。ごちそうは太りにくい水曜日に、月曜日は低カロリー食にするとよいでしょう。



まとめ

体内時計を大いに活用する時間栄養学と快眠のための食事のとり方について解説していきました。


  • 体内時計を大いに活用する時間栄養学は、体内時計の働きに基づいて「いつ」「どのように」食べるかの視点を加えた学問のこと。
  • 快眠のための食事のとり方をすることで、体内時計が整い朝型になり脳が活性化し、夜は自然と眠たくなるという生活リズムが整う

睡眠の質を上げるには、単に特定の栄養素をとるだけで効果が得られるとは限りません。

まずは、健康に良いことが基本です。

「時間栄養素から見た食事時間の工夫」を実践すれば、体が健康になると同時に睡眠の質も自然と良くなっていますよ。



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